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 非接触で低温金属の温度測定は難しい!?

低温金属(250℃以下)の温度測定

ここでは、低温金属とは250℃以下の金属を指しています。具体的な低温金属のアプリケーション事例はシート材の製造工程にある金属製の乾燥ローラーの温度測定、自動車部品の製造工程での熱処理の温度測定など様々です。(低温金属の事例はこちら)
ほとんどの事例で、測定対象物が動くため接触式ではなく、非接触式の温度計を採用されることが多くなってきています。しかし、非接触式の温度計は金属や低温の物体の測定が難しいことから、選定や採用を悩まれるお客様も多いのが状況です。ここではそんなお悩みを解決する方法をご紹介します。

低温金属の測定が難しい理由

右図の通り、表面に光沢のある金属は放射率が低く、他の物体の赤外線エネルギーを反射しやすい特性があります。
そのため、周囲の熱源(外乱光など)も一緒に温度測定してしまい、正確な温度が測定できません。
対策としては黒体テープをワークに貼って測定することが推奨されていますが、製造ラインなどでは現実的ではありません。
※測定原理に関しては「非接触温度計(放射温度計)選定のポイント①」をご参照ください。

測定方法

1.専用タイプで測定する方法
低温金属測定用の非接触温度計(放射温度計)を使用することで、黒体テープを使用せずに金属の温度を測定することができます。

※表示温度は測定条件、環境によって左右される場合があります。
事前のテストを推奨します。

2.黒体テープを使用して汎用タイプで測定する方法
測定対象物に黒体テープを表面に貼り付けることで、放射率が高くなるため、汎用タイプの非接触温度計(放射温度計)でも安定して温度測定が可能です。
黒体テープの耐熱温度は250℃のためご注意ください。
黒体テープを貼ればどんな材質でも同じ条件で測定ができるメリットがあります。また汎用タイプの温度計で測定できるため、ローコストで導入が可能です。

アプリケーション事例


鏡面ローラーの温度測定
ガラス測定専用の温度計(7.9μm)
映り込みが発生する鏡面ワークの低温域での温度測定は、従来安定しませんでした。
GT-4Mなら、高感度素子と2.2~6μmの測定波長の採用により、安定した温度測定が可能です。
エンジンバルブの温度測定
汎用タイプの温度計(8〜14μm)
0℃からの測定を実現したことにより、熱処理時において低温からの加熱を実現します。
加熱プロセスの管理を詳細に行うことで、製品の品質向上に寄与します。
エアーバッグのインフレータ過加熱防止
ガラス測定専用の温度計(7.9μm)
エアバッグ用インフレータにガスを注入して高周波にて100~150℃ぐらいに加熱しますが、加熱しすぎ防止のために温度を測定します。
金属・光沢面測定が可能なGTL-4Mなら、金属面の温度測定も可能。インフレ―タの品質に大きな影響を及ぼす過加熱を確実に防止することができます。
裁断カッター温度測定
汎用タイプの温度計(8〜14μm)
低温金属測定用のGTL-4Mでゴムシート裁断用の刃が一定の温度に加熱されているかどうかをモニタします。
一般的な非接触温度計(放射温度計)では低温金属の温度測定は困難ですが、2.2〜6μmの波長で測定するGTL-4Mなら測定が可能。刃を一定に加熱することにより、裁断ミスをなくすことが可能です。

【おすすめ製品】
  • 低温金属も安定して測定可能
  • 非接触温度計(放射温度計) 低温金属測定用
  • GT-4M/GTL-4Mシリーズ
  • ・低温域0℃からの温度測定を実現
     ※放射率の低い金属などは+40℃付近からの測定を推奨
    ・低放射率ワークの安定した測定を実現
    ・0.3msの応答時間で高速ラインにも対応可能
    ・超小型センサヘッド(GT-4M)
    ・ツインレーザ照準(GTL-4M)
【従来機との比較ムービー】
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さらに詳しく知りたい方

デモ機でテストしたい方



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