リング照明には、明視野/暗視野を使い分けるために、照射角度の異なるいくつかの種類が用意されている。最適な照明設定を評価するために、それぞれの照明を用意して比較検討している。
この比較検討を容易にするため、1台で複数の照射角度に切り替え可能なLED照明が登場している。
“OPRシリーズ”は新たにアタッチメントレンズを採用した。従来3シリーズの展開となっていた集光タイプとワイドタイプとローアングルタイプのリング照明を、アタッチメントレンズの有無にて1シリーズで実現した。対象ワークの変更にフレキシブルに対応するほか、ワーク実験でも1台で照射モードを変えて評価でき利便性の向上となる。
もうひとつは順電圧のバラツキである。LED照明は通常数個直列に接続し、これを複数並列で接続した回路で構成されている。順電圧のバラツキによりこの並列回路間で電流値の違いが生じ、結果明るさのバラツキとなっている。
本稿ではマシンビジョン用照明の役割とライティング技術とともに、最新の動向としてLED照明のセンシング技術について述べた。
マシンビジョンにおける照明の役割は、単に明るくするためのものではなく、特徴抽出のために最適な画像を撮像するためのキーファクターであり、マシンビジョンシステムの成否を分ける。ライティング技術とは、アプリケーションの目的を正しく理解し、経験と最新の知見から、お客様の要求に対して最適な照明条件を提示するものである。この技術向上に終わりはない。
最新の技術として「FALUX」によるバラツキの補正や温度補償回路での輝度安定化と、「FALUX sensing」による長期的な明るさ管理を紹介した。今後も「FALUX sensing」に対応したLED照明のラインナップを順次増やしていくと共に、お客様に対して更なる価値を提供していきたい。