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 大震災の影響による電力不足が社会的問題となり、一般照明としてのLED照明が節電・省エネの効果的対策として注目を集める中、マシンビジョンの光源として今や最も多く利用されているのがLED照明である。このLED照明にもいくつか課題がある。明るさのバラツキの管理、周囲温度による明るさの変動、および長期的な劣化に対する管理である。マシンビジョンシステムがますます高度化しており、光源としてのLED照明にも高度な運用管理が求められている。本稿ではLEDの点灯制御方法の見直しと新たな機能により、この課題の解決方法を紹介する。

【6】センサ内蔵のリング照明への展開

センシング回路内蔵の照明として新たにリング照明が加わった。“OPB-S シリーズ”同様「FALUX」と「FALUX sensing」を搭載し、約4万時間の長期にわたり初期の輝度を維持する(写真3)


写真3  センシングリング照明 OPRシリーズ

6.1  アタッチメントレンズによる集光&ワイドの2way照射

新型リング照明は「FALUX sensing」に加え、新たにアタッチメントレンズを採用した。従来2シリーズの展開となっていた集光タイプとワイドタイプのリング照明を、アタッチメントレンズの有無にて1シリーズで実現した。対象ワークの変更にフレキシブルに対応するほか、ワーク実験でも1台で照射モードを変えて評価でき利便性の向上となる(図5)

「OPB-Sシリーズ」はセンシング回路基板がLED基板と分離しているため、センシング有無の2 シリーズとなったが、「OPRシリーズ」は同一基板に全て実装されているため、1シリーズ展開で低価格を実現している。従来機種より明るさも2倍となり、標準価格は42,000円(税別/φ55)からとなる。

図5  センシングリング照明

【6】おわりに

本稿ではマシンビジョン用LED照明の3 つの課題についてオプテックス・エフエーの考える解決方法を示した。LED個々の明るさのバラツキには、「FALUX」の入力電圧依存型定電流回路により、並列回路間の電流値のバラツキを一定にすることで解決した。

自己発熱や周囲環境の変化による明るさの変動については、「FALUX」の温度補償回路により、LED チップの温度に依存する発光効率の変動補整を行った。

長期的な変動に対する明るさの管理については、「FALUX sensing」の光量モニタおよびフィードバック制御により、調整時期のお知らせ機能と自動で明るさを維持するシステムを実現した。

今後は「FALUX」と「FALUX sensing」に対応したLED 照明のラインナップを順次増やしていくと共に、更なる機能向上を目指す。

FALUX sensing技術レポートをご覧いただきましてありがとうございました。
引き続き参考になる情報を掲載していきますのでどうぞご期待ください。