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 大震災の影響による電力不足が社会的問題となり、一般照明としてのLED照明が節電・省エネの効果的対策として注目を集める中、マシンビジョンの光源として今や最も多く利用されているのがLED照明である。このLED照明にもいくつか課題がある。明るさのバラツキの管理、周囲温度による明るさの変動、および長期的な劣化に対する管理である。マシンビジョンシステムがますます高度化しており、光源としてのLED照明にも高度な運用管理が求められている。本稿ではLEDの点灯制御方法の見直しと新たな機能により、この課題の解決方法を紹介する。

【3】新世代バー照明での課題解決

「OPB シリーズ(写真1)」は、高輝度の表面実装型LED に特許出願中の自社開発レンズを組み合わせるという新しいアプローチにより、従来品の約3倍の光量を実現した新世代のLEDバー照明である。

3.1  明るさ変動安定化回路の
      FALUX(ファルクス)搭載

先に上げたLED 個々の明るさのバラツキに対する対策として、順電圧にバラツキがあっても一定の電流が流れるように、照明に入力電圧依存型の定電流回路を内蔵した。これは入力電圧から各並列回路の電流を制御し、それぞれ一定の電流値が流れるようにするものである。これにより並列回路間の電流バラツキがなくなり、個々のLEDに同じ電流が流れて明るさのバラツキもなくなった。

電流を一定にすることで明るさのバラツキはなくなったが、LEDの特性でもある自己発熱や周囲温度の上昇による発光効率の低下が問題となった。白色LED や青色LED は温度の上昇によって発光効率が低下するが比較的それは小さい。それは同時に順電圧も低下するためで、一定の入力電圧ではその分電流値が上昇して明るさ変動は小さくなっていた。しかし今回の定電流回路によって電流値の上昇はなくなり、変動幅は逆に大きくなる結果となった。また、赤色LEDでは温度による発光効率の低下が大きく、順電圧の低下による電流上昇をプラスしても20%程度明るさが低下していた。

温度による明るさ変動の解決方法として、照明に温度補償回路を内蔵した。これはLED 照明の色毎に異なる温度変動特性により、電流値の調整で明るさを補正するものである。これにより温度による明るさ変動は1~2%程度となり、従来品比1/20 まで変動を抑えることができ業界最高水準を達成している(図1)

これら入力電圧依存型定電流回路と温度補償回路をあわせて当社では“FALUX(ファルクス)”と呼んでおり、特許出願中である(図2)

「OPBシリーズ」では標準価格は29,000 円(税別/ 白色50 ㎜)〈当時〉からで従来比30%の価格ダウンとし、同等の明るさでは業界最安値(2011年9月当社調べ)を実現した。ラインナップは、発光面50mm から300mm まで50mm 間隔の6 機種を用意している。また、取り付け角度の設定が自由なブラケットや拡散板、偏光板、透明カバー等、豊富なオプションを用意している。

写真1  OPBシリーズ

図1  FALUX 有無の内部温度と明るさの変動図2  FALUX の回路構成