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【5】印字検査用画像センサ開発の背景

印字事故が大きなリスクであることは、どこの企業でもある程度把握はしているが、従来の印字検査装置は非常に高価であるとの認識が生産者側にはある。また、その高額な導入コストにもかかわらず、無駄ばねが多く、本来の生産に支障を来たしていたのも事実である。

そこで、オプテックス・エフエーでは、低価格でかつ安定した検出を実現する印字検査用の画像センサを開発提供することがコンセプトとなった。従来の印字検査装置の5分の1以下の投資であるなら普及が進むと考えたのである。しかも、固定資産とならない20万円未満を目標に据えたのである。

印字検査機の低価格化に向けて、印字品質検査を行う生産者側のレベル分けが必要であった。ホストコンピュータとネットワークでつながる大規模で高額な画像検査装置を「レベル3」の最高レベルとすると、印字品質そのものを検査するのが「レベル2」、印字が有るか無いかを検査するのが「レベル1」と切り分けることで機能が絞られる。当社では印字有無検査と印字品質検査の「レベル1と2」をカバーできることを開発目標とし、それに見合う低価格への挑戦を実践してきた。

【6】ローコスト印字検査用画像センサCVS4-Rシリーズ概要

画像検査装置は、「カメラ・レンズ」「コントローラ」「モニタ」「照明装置」の4つの構成から成り立つ。オプテックス・エフエーのCVS4-Rシリーズは、これら4構成部品の見直しを図り、かつそれらを一体化することで、従来にない低価格化を実現した(図3)


図3

【カメラ・レンズ】

「賞味期限」などの漢字を読み取るとなると、少なくとも100万画素程度のイメージセンサを搭載したカメラが必要になるが、食品業界での印字検査で最も重要なことは、賞味期限日付の印字が正しく読めるかどうかである。「賞味期限」の文字列やその他の用途を考慮すると、高解像度のイメージセンサ、大容量のメモリなどを必要とし、印字検査装置が高額になってしまう。そこで、イメージセンサの画素数は30万画素程度とした。レンズについては、高解像度である必要性がないため、安価な樹脂レンズで十分な性能が得られる。

【コントローラ】

カメラに通常の解像度のイメージセンサを使うことで、その後処理を行うためのプロセッサやメモリも比較的小さく安価なものが選択できる。さらに、すべての処理をFPGAの1チップで行うことで、小型化と消費電力の低減を実現したにもかかわらず、高級機並みの機能を多数搭載している。これらの結果、低価格で高性能なカメラ一体型の小型コントローラが実現できたのである。

【モニタ】

通常使われる大型液晶モニタは電子部品のなかでは、突出して値段が高い。しかしながら、英数字だけを確認する程度であるならば、2インチ弱の大きさでも何ら支障無くモニタとしての機能が果たせる。

【照明装置】

構成部品としては忘れられがちであるが、印字検査を行う上では必須の部品である。長寿命で安定的な照度を保つためにLED照明が使用されるが、値段は決して安いものではなく、電源を含めると10万円で収まらないことも珍しくない。LED照明とそれを駆動する電源をカメラと共用して、カメラユニット入れてしまうことができれば低価格を実現できる。

上記のように、CVS4-Rシリーズは、4構成部品を一体化することで、標準価格19万8,000円(税別)〈当時〉という低価格を実現すると同時に、食品業界で使用されるカメラとしての耐水性能IP67レベルが確保できた。さらに、小型ボディであることで、ボタン配置に厳しい制約を強いられたが、却って操作性がシンプルになるというメリットを生んだ。

こうしてCVS4-Rシリーズ及び従来機種のCVS4シリーズは、併せて年間出荷台数1000台を超え、累計出荷台数としても世界No.1の実績を誇る印字検査機のスタンダードとなった。

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