大気中に浮遊している目視できない埃にはほとんど影響を受けませんが、粉塵で測定対象物が目視できない場合は、正確な温度を測定できません。また、温度計のレンズ(フィルタ)面に埃が付着すると測定に影響をおよぼすので、ポータブル製品はレンズの清掃を、措置型製品(サーモグラフィ含む)は別売のエアパージ管をご利用下さい。
「検出波長」で述べているように当社の非接触温度計は、大気中の水蒸気や二酸化炭素の影響を受けにくい波長を検出しています。 ただし、粉塵と同様に水蒸気で測定対象物が目視できない場合は、正確な温度を測定できません。
測定対象物の面に対して、垂直に測定した場合は、測定視野は円(または正方形)の面積を測定します。斜めから測定すると、測定視野は下記のように楕円(もしくはひし形)になります。 この場合でも測定対象物の大きさが、測定視野を満たしていれば測定は可能です。入射角45°以上の場合は、正確な温度を測定できません。
非接触温度計・サーモグラフィは、物体に触らないので、回転体の測定も可能です。ただし、表面温度は応答時間内に回転した面の平均値となります。
接触式の温度計は接触した箇所のみの温度を測定するのに対し、非接触温度計・サーモグラフィは「面積」で温度を測定するため、測定視野内に凹凸があっても問題なく測定できます。非接触温度計は凹凸を含む測定視野内をすべて平均化して測定します。一方、サーモグラフィは測定視野内の任意のエリア、または任意のポイントの平均温度や最高・最低温度などの測定が可能です。
非接触温度計・サーモグラフィは、測定対象物の表面状態(光沢の有無)に影響を受けますが、色による影響は原理的にはありません。ただし、塗料の材質によって(光沢がある場合)は影響が出る場合もあります。(例:メタリック塗装など)
非接触温度計・サーモグラフィは、可視光ではなく赤外線を検知しているので、暗所でも測定可能です。
非接触温度計のレーザマーカを内蔵/外付けしている機種は、レーザを放射することにより測定個所を視認することができます。
JIS C 6802に準拠したクラス2レーザを使用していますが、目に障害を与えたり健康を害する恐れがありますので、レーザを直接のぞき込んだり人の目に当てないでください。
※レーザはあくまで測定個所を指し示しているだけなので、測定にはなんの関係もありません。
当社の非接触温度計・サーモグラフィは、体温計ではありませんので医療行為にはお使いいただけません。