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広範囲の温度を1台で測定

赤外線サーモグラフィのススメ
製造現場における温度測定は非接触温度計が主流になりつつありますが、
スポット測定のため測定位置が定まりにくい、広範囲の温度を測定できないなどの課題も。
ここでご紹介する赤外線サーモグラフィは、面での温度測定が可能なだけでなく、
操作性においても非接触温度計に引けを取らない温度計です。
サーモグラフィの特徴

サーモグラフィは、物体から放射される赤外線量を測定し、画像として表示する非接触温度計です。
機種ごとに解像度が異なり、1画素ずつ温度を測定するため、解像度が高いほど1画素あたりのサイズが小さくなり、温度を細かく測定できます。

240mm×180mmの視野範囲を
解像度160×120pixelのカメラで測定した場合

サーモグラフィは、スポットタイプの非接触温度計に比べて、下記のような特徴があります。

≪面の温度を測る≫

非接触温度計はスポット(点)の温度を測定しますが、サーモグラフィは面の温度を測定します。
面積が大きい物体やシート状の物体を測定する場合、非接触温度計では複数台必要になりますが、サーモグラフィなら1台で測定でき、コストを抑えることができます。
また対象物の温度分布を捉えることができ、温度管理の精度向上に役立ちます。

例)シート材の温度測定

thermo_img_03

非接触温度計:複数台を並べて測定

サーモグラフィ:1台で測定

≪設置が簡単≫

非接触温度計は、距離によってスポットサイズが変わるため、対象物の大きさに合わせて設置距離をシビアに調整する必要があります。
サーモグラフィは対象物が視野内にあれば測定できるため、簡単に設置できます。
さらに設置後でもソフトウェア上で測定エリアを設定・変更できるので柔軟性も優れています。

≪微小物体や動く物体の温度測定が可能≫

非接触温度計は、測定中に対象物が動いてしまい測定ポイントが定まらなかったり、対象物がスポットサイズより小さいと背景の温度を測定してしまい、正確に測定できません。
サーモグラフィであれば、視野内に対象物が入っていれば測定できるため、微小物体や上下に振動するワイヤなどでも問題なく測定できます。

非接触温度計
サーモグラフィ

小さい物体

NG

スポットより物体が小さいと背景の温度を測定してしまう

ワイヤなど

NG

定点観測のため、対象物が動くと測定するポイントが定まらない

小さい物体

OK

測定視野内に物体があれば測定可能
測定エリアは設置後に調整できる

ワイヤなど

OK

振動しても測定エリア内なら安定した測定が可能

チェックすべきポイント

サーモグラフィを選ぶ際に気を付けたいポイントをご紹介します。

■測定視野と解像度

サーモグラフィは機種によって解像度が異なり、さらに測定距離(視野サイズ)によって温度を測定できる最小サイズが変わります。
選定する際は下記の①~③を確認してください。

①測定対象物のサイズ
②どの程度細かく温度を測る必要があるか
③サーモグラフィを設置できるスペース

例)
①「100mm四方の立方体を測定したい」
 ⇒水平・垂直視野(HFOV・VFOV)が100mmより大きい
②「最低でも3mm角あたりの温度を測定したい」
 ⇒最小測定視野(MFOV)が3mmより小さい
③「サーモグラフィはワークから1000mm以内に設置」
 ⇒測定距離:1000mm以内の時に①②にマッチする機種

■測定波長

非接触温度計と同様、サーモグラフィも機種によって測定する波長が異なります。
特に、透過・反射の影響で測定値が大きく変化する「ガラス」や「高温金属」を高精度に測定したい場合は、対象物に最適な波長を測定する専用タイプがおすすめです。

■耐熱性

サーモグラフィは機種によって耐熱性が異なります。使用時の周囲温度と合わせて必ず確認してください。冷却ジャケットに入れるなど、なるべく高温環境を避ける設置方法を検討してください。

高温金属の測定イメージ

■操作性(ソフトウェア)

設定やモニタリング用に付属しているソフトウェアを確認してください。
当社のサーモグラフィは日本語ソフトを標準付属していますが、メーカーによっては日本語ソフトを付属しない場合もあるため注意が必要です。

主な確認ポイント

・測定エリアのサイズや形状は任意に変更できるか
・測定方法にバリエーションがあるか
(エリア間の差分、指定温度の占有率など)
・録画機能があるか

機種比較

当社は下記の3シリーズのサーモグラフィをラインナップしています。
画質や仕様で比較していますので、選定時の参考にしてください。

 

非接触エリア温度計

Xi80シリーズ

設置型赤外線サーモグラフィ

Xi400シリーズ

設置型赤外線サーモグラフィ

PIシリーズ
特長① PCをつなげばサーモ、
単独では非接触エリア温度計
高解像度 汎用サーモグラフィ 高解像度・高フレームレートの
サーモグラフィ
特長② ・PCで設定後はPCレス運用可能
・ローコスト
・ソフト上でのフォーカス調整可能
・高解像度
・ソフト上でフォーカス調整可能
・温度分布の「解析に」
・オプションで1500℃まで測定可能
・ガラス・高温金属測定モデルあり
熱画像
比較
仕様
機種数 4機種 5機種 36機種
用途 汎用 汎用・長距離 汎用・ガラス用・高温金属用
測定温度 -20 ~ +100℃ / 0 ~ 250℃ /
+150 ~ +900℃ (切換式)
-20 ~ +100℃ / 0 ~ 250℃ /
+150 ~ +900℃ (切換式)
-20~+100℃/0~+250℃/
+150~+900℃/+200~+1500℃
(切換式)※汎用タイプ
使用周囲温度 0~+50℃ 0~+50℃

0~+50℃(PI450のみ:0~+70℃)

解像度 80×80pixel 382×288pixel 160×120pixel~
640×480pixel
フレームレート 50Hz 80Hz / 27Hz(切換式) MAX:128Hz
PCレス運用
(設定時のみPCが必要)
× ×
フォーカス調整 ソフト上でフォーカス
調整可能
ソフト上でフォーカス
調整可能
レンズでフォーカス調整
おすすめ機種紹介
●汎用タイプ
【装置組み込み・PCレスで使いたいなら】
Xi80シリーズ
・単独運用が可能
・測定温度範囲:-20~+100℃/0~+250℃/+150~+900℃ 切換え式
【高解像度で細かく見たいなら】
Xi400シリーズ
・382×288pixelの高解像度
・測定温度範囲:-20~+100℃/0~+250℃/+150~+900℃ 切換え式
【研究や解析に使いたいなら】
Piシリーズ マイクロスコープタイプ
OPTPI640MO44□
※□には測定温度帯が入ります。
・最小□28μmの温度測定が可能
・測定温度範囲:-20~+100℃/0~+250℃/+150~+900℃/+200~+1500℃ 切換え式
Xi400シリーズ マイクロスコープタイプ
OPTXI40LTF20CFT090
・最小□81μmの温度測定が可能
・測定温度範囲:20~+100℃/0~+250℃/+150~+900℃ 切換え式
【カラー画像と組み合わせて比較したいなら】
Piシリーズ 可視カメラ内蔵タイプ
OPTPI200/230□
※□には測定温度帯が入ります。
・最小□0.08mmの温度測定が可能
・測定温度範囲:-20~+100℃/0~+250℃/+150~+900℃/+200~+1500℃ 切換え式
・標準価格:1,200,000円(税別)
●専用タイプ
【測定対象が高温金属の場合】
Piシリーズ 高温金属測定用
OPTPI1ML□
※□には測定温度帯が入ります。
・測定波長:0.85~1.1μmで
 金属や金属酸化物、セラミックなどの温度測定に最適
・測定温度範囲:+450~+1800℃/+500~+1800℃/+600~+1800℃ 切換え式 
【測定対象がガラスの場合】
Piシリーズ ガラス測定用
OPTPI640G7□
※□には測定温度帯が入ります。
・測定波長:7.9μmでガラスの温度測定が可能
・測定温度範囲:+200~+1500℃(設定用に0~+250℃のモニタが可能)
●オプション
【測定エリアの入出力を増やしたい場合】
拡張入出力ユニット
・大きなワークの温度分布のモニタリング用途などに
・Xi400・PIなら最大3出力、Xi80なら最大9出力まで拡張可能

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さらに詳しく知りたい方

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